厄年厄除け大全

日本では特に厄年というのがどこの神社やお寺でも明記されていて、子どもの頃から一度は見たことがあると思います。

では厄除けは何が問題なのか?どのすれば助かるのか?何を気をつければ良いのかなど、厄年と厄除けについてくわしく説明します。

厄年はいつから始まった?

現在厄年といわれているものは、昭和に入ってから流行したものです。

記録によれば、平安時代からの書物にも見られますが、現在の感覚と少し違います。これは後半に説明します。

現在厄年と言われているものは、戦後モータリゼーション(多くの人が自家用車を持つようになり、自動車で移動できるようになった)が盛んになってからです。これは、佐野厄除大師が年末にテレビCMを流すようになり、一気に全国的に広まりました。そこから、どこの神社・お寺でも、男の厄年は42歳、女の厄年は33歳と知られるようになったと言われています。

自家用車で遠方への移動がしやすくなったこと、佐野厄除大師には大きな自動車道が通り交通の便が格段に良くなったこと、テレビ局が次々開局しCMで集客しやすくなったことなど、戦後の様々な状況が見事にマッチした結果だと思われます。

また、多くの鉄道は大きな寺社に行けるようにと作られた物が多かったのです。現在ですと通勤電車として使われていますが、元々電車に乗って通勤する風習はありませんでした。あえて電車に乗って行く遠方というのが、当時のエンターテイメントの地としても知られていた有名な神社やお寺です。門前町があり見世物などあるところは、神社やお寺だったのです。

大晦日に終日運転なども行われ、深夜に寺社に初詣に行く人も増え、それまでとの風習が変わってきました。佐野厄除大師以外の寺社でも厄除け祈祷が行われるようになり、特に厄除けで有名な寺社も脚光を浴びるようになりました。

厄年とは?

人生の中で運気が下がり、厄難に遭う可能性が高い年齢を厄年といいます。

寺社によって異なりますが、一般的に厄年は性別と年齢で決まっています。

  • 男性は数えで25歳前後、42歳前後、
  • 女性は数えで19歳前後、33歳前後、37歳前後
  • 男女ともに数えで61歳前後

といわれています。

男性の42歳、女性の33歳が大厄で、最も悪い厄年とされています。

また、厄年の前後1年間は良くないとされ、前厄、後厄とされています。

どんな悪いことが起こるの?

では、厄年になると、どんな悪いことが起こるのでしょうか?

様々なことが言われていますが、まとめると次のようになります。

  • 大病にかかる。健康を害しやすい。体調が不調になる
  • 怪我、交通事故を起こしやすい
  • 新しことをすると失敗しやすい
  • 倒産、破産しやすい
  • 間違った判断をしてしまう

など、親類縁者を探せば、一人は厄年に何かあったと聞きます。

また、前厄(厄年の前の年)で悪いことが起きた、後厄(厄年の後の年)でひどいことが起きたなどと、本厄以外にも前後で悪いことが起きたという話もよく聞きます。何か怖いですよね。

厄年本当のところはどうなの?

このような噂や伝聞でいろいろなことを聞かされていますが、実際厄年には、何が起こり、どのような問題が起こるのでしょうか?

平安時代の厄年

平安時代にも厄年という記述が出てくるのですが、このときに厄年というのは、自分の干支の年が厄年だったといわれています。これは、現在でも年男、年女として残っています。年男年女の時に節分で豆まきをするというのも、自分を厄をはらいお福分けをすることで、厄除けになると言われています。

神社の解釈

すべての神社ではありませんが、厄年は役年という意味で取られています。つまり社会的に重要な役割を引き受ける年齢ということなのです。だから縁起が悪いわけではないとも考えられています。

また、日本古来の厄の考え方があります。人は知らず知らずに罪穢れを溜めてしまいます。これを定期的に祓うと清い姿に戻れ、本来の力を発揮できると考えられています。

神社でご祈祷をお願いすると、紙垂(白い長細い紙)の付いた棒を左右に振ってくれます。これがお祓いです。年に2回ある大祓では、この罪穢れを払う儀式です。

また、神社で厄除け発祥の地と知られるのは京都の吉田神社です。陰陽道の影響が見られ、節分の時期には山吹色(オレンジ色)のお札が出ます。この色が厄除けの色とされています。朱色や黄色は厄除けの色とされていて、ほかの寺社でもこの色のお札が出されることがあります。

お寺での厄

厄除けに関しては、特にお寺が有名です。古くは弘法大師や厄除けをしたお寺など、厄除けに有名なお寺が沢山あります。主に不動明王のお力によって、厄や魔を退散させるのです。

厄年はいつからいつまで?

厄年が始まるのは、新年明けた1月1日からでしょうか?

このように考えるのも無理もないですが、寺社では立春(2月3日や4日)から新しい年と考えられています。ですので、節分を終えた翌日から厄年スタートと考えて良いと思います。ということは終わりも12月31日ではなくて、節分までと考えます。

そうすると、1月中に厄除けをしたらちょっとフライングではないかと思うかもしれません。それは心配無用です。厄除けは年内に行い、加持祈祷された状態で新しい年を迎えると考えられています。

ですから、1月1日に厄除けをしても、立春以降効果がないということはありません

厄除けをするには?

大抵の神社やご祈祷を行うお寺では厄除け祈祷を行ってくれるでしょう。

新年であれば、特に申し込みなく行ってくれると思いますし、小さいところでは事前に出羽などをして問い合わせたり時間の予約をしておく必要があるでしょう。

こちらは特に用意する物はありませんが、せっかくご祈祷するのですから、服装は少し気をつけた方が良いかと思います。お金は、のし袋に入れ、神社では初穂料または玉串料、お寺では祈祷料、お布施などと書きます。名前は名字だけではなくフルネームで書く方が良いでしょう。

大きな神社・お寺では大勢が参拝するので、現金をそのまま渡してもいいでしょう。のし袋で持って行っても、その場で開封されてしまいます。小さな神社では、のし袋に入ってるかどうかを、気にするところも多いです。

社殿に直接上がるか、一旦部屋に通され順番を待ってから、社殿に通され祈祷が始まります。通常神職や僧侶の指示に従っていれば、難なく終了します。

神社の厄除け

神社の祈祷は、神職がお祓いを行い、祈願の祝詞を読み、お札をいただいて終了します。大勢の人と一緒に祈祷を受けるときは、すべての人の名前と祈願を読むためにある程度の時間がかかります。

お寺の厄除け

お寺での祈祷は、お経を読みます。僧侶だけで読む場合もありますが、経本が借りることが出来て、一緒に読経することも出来るでしょう。お経の長さにもよりますが、10分から50分程度かかります。一人一人の願意は読み上げるところと読み上げないところがありますが、読み上げないところの方が多いでしょう。

祭祀の方法は、宗派によって大きく異なります。真言宗は護摩を焚き、炎を上げご祈祷の終了に合わせて火が消えるように行います。炊いて30分以上はかかると思います。

一人一人が仏前に出てご焼香を行うことが出来る場合があったり、仏前でお経を読むだけという場合もあります。

厄除けは神社が良い?お寺が良い?

神社であれば、氏神神社や産土神社で行うと良いと思います。大きな神社でやりたいのでしたら、厄除けで有名な神社も各地域に一つはあると思います。特になければ、各地域の一宮、総鎮守などでも良いと思います。

願意別おすすめ神社お寺の記事もご参照ください。

お寺であれば、真言宗のお寺が大変著名です。関東であれば、川崎大師、西新井大師、観福寺が関東三大厄除け大師(弘法大師)として知られています。また、関東厄除不動(不動明王)は、千葉厄除け不動尊、目黒不動尊、飛不動尊、関東三大不動(不動明王)は、成田不動尊、高幡不動尊、不動ヶ岡不動尊。関東三大師(元三大師)は、佐野厄除け大師、川越大師、青柳大師です。

また、日蓮宗でもご祈祷は盛んに行われています。

日蓮宗で有名なのは、やくよけ祖師として知られる杉並区の妙法寺です。日蓮聖人が流罪されるときに弟子が無事を祈念していると、不思議な光を放つ霊木が流れ着きました。それに日蓮聖人の姿を彫刻して祈り続けると、1000日目に無事に戻りました。日蓮聖人が42歳の時だったそうです。

神社でもお寺でも信心しているところがあればそちらで行うのが一番であると思います。特にないのであれば、最寄りの有名な寺院で行うのが良いかと思います。近ければ、厄年の間に何回か参拝も出来ますし、お礼参りもしやすくなります。

ご祈願して、それでもう大丈夫と、それっきりにしてしまうのはよくありません。

月1回は無理としても、節分や立春、夏至や冬至など節目にお参りを繰り返し、改めて加護を願うのが良いと思います。

普段の厄除けは?

厄年ではないけれど、何か運が悪い、イヤなことが起こるなど、気になるときはどこで祈祷すれば良いのでしょうか?

これも厄除けを熱心に行っている寺社が良いと思います。特に神社はお祓いをすることが大変重要と考えています。6月末や12月末に行われている大祓式に参列したり、人形に厄を遷しお祓いしてもらうと良いと思います。

スサノオを祀る神社も良いでしょう。疫病を祓うお祭り祇園祭の八坂神社、天王社などです。厄除詣発祥の吉田神社(京都)や鹿島神宮、熱田神宮、八幡宮も武運の神で厄除けに良いでしょう。

お寺で選ぶなら護摩を焚くお寺を選ぶのが良いかと思います。ただし、祈祷が1件だけでは護摩まで炊くことはあまりないために、特定の日にのみ行っているか、大きなお寺に限られてくると思われます。

例えば、お不動さんであれば、不動明王の縁日は28日です。この日には毎月護摩を焚くなどという寺院もあります。

方位除

日によって悪い方位があり、その方向を犯さないように、一旦良い方角に向かってから、目的地に向かうことが行われていました。しかし現代では、そういうことも言っていられず、凶方位向かわざるを得ません。

この問題を避けるのが方位除です。多くはお守りを持つことで難儀を逃れることが出来るとされています。また、方位除で有名な寺社もあり、このような寺社では特別なご祈祷が行われています。

星祭り

寺社でもらう暦には、生年ごとに決まる占いがのっています。一白水星から九紫火星まであります。この星事に、運勢が良い年悪い年が記載されていますが、この星の悪影響をなくすお祭りがあります。北極星や’北斗七星にまつわる祈願です。

主にお寺で行われているお祭りで、冬至から節分の間にかけて行われています。浅草寺では冬至に、壺阪寺では節分に行われています。

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