酉の市

DSC0066311月2日は酉の市です。酉(とり)の市は11月の酉の日に行われるお祭りで、縁起物の熊手を買う風習があります。主に関東地方と浜松で行われるお祭りだそうです。

まず酉の市で有名なのは鷲神社。普段はひっそりとした神社ですが、この神社にとって1年に2回もしくは3回ある11月の酉の日は1年で最も盛況な1日です。この日だけは歩道一杯の人が何ブロックも行列になって、この神社へ訪れます。

深夜の0時から始まり24時まで1日中行われます。空いているのは深夜早朝。平日であれば、多少楽ですが、行列に並ぶことは確実です。夕方からは大変混みますが、夜は明かりが灯り、また良い雰囲気です。

境内に展開された出店には芸能人や政治家などの巨大熊手がずらりと並び豪華です。境内の出店や神社の授与品として出される熊手は、鷲が獲物をわしづかむように幸運や金運などをかき集めるという意味が込められています。

鷲神社の隣には鷲妙見こと長國寺という日蓮宗のお寺が同じように酉の市を行っています。鷲神社と長國寺は元は一つだったのですが、明治維新の神仏分離により分裂しています。

多くの人は神社側から入り、お参りが済むとそのままお寺の方に進んで参拝を終える方が多いようです。お祭りが終わってみると、実はこの二つは道路を挟んでいることに驚きますが、お祭りの最中はこの道路は封鎖されていて、人混みも手伝って道路があることすら分かりません。

このような場合、気になるのはどちらがより重要かとか、どちらを先に参拝した方が良いとか、両方参拝しなければご利益がないとか、色々な噂が飛び交います。もちろんどちらも参拝した方が良いでしょうし、一般に神社とお寺があったら、神社からお参りする方が良いでしょう。

このような形式の神社やお寺は他にもいくつかあり、12月の冬至から始まる一陽来復で有名な早稲田の穴八幡宮と放生寺も同様です。江戸時代までは別当と言われるお寺が神社を管理していました。多くは元々あった神社に別当寺院が建てられたりしています。昔の記録や当時のお守りなどを見るとお祭り自体はお寺がプロデュースして大きくなった様に見えます。とはいえ、元は一つのものですから、どちらが始めたなど考える必要もないと思えます。

浅草の酉の市の場合、鷲妙見(長國寺)の妙見菩薩のご開帳が11月の酉の日に行われていて、門前に市が立って相当な賑わいようだったそうです。長国寺の正面の鈴はこの妙見様の手と糸で繋がっていますので、まずはこの鈴を鳴らしましょう。右側にある鈴は七福鈴です。

長國寺のおみくじは、自分で引くのではなく、お坊さんが引いてくれます。悪いのが出ると火打ち石で祓ってくれます。

DSC00654両社共に境内に約200ほどの熊手の出店があります。鷲神社側には昔ながらの完全手作りで作っている熊手屋さんも有ります。ちょっと地味ですが、こう言うのが好きな人はココしか有りません。政治家、スポーツ選手、芸能人、出版社、企業などの熊手が各店に陳列されているので、これも見物です。

熊手はだんだん大きくしていくものだそうで、お値段は2000円から有るようですが、予想以上に高いと感じるでしょう。最低でも5千円はするようです。上に掲げてあるものは10万とも30万とも言われています。多くの人は3〜5万円ほどのものだそうです。

良く値切って買うのが醍醐味と言われますが、あまり安いものでやると場所によっては一笑されてちょっと凹みますので、止めておいた方が無難です。縁起物を値切って買うなんてと言うようなことを言われます。これも商売ですから駆け引きですね。

熊手を買うと、威勢の良い手締めをしてくれます。これが良いそうですが、確かにたくさんの人にやってもらうと良い気分になります。

出店の熊手も良いですが、あくまでも縁起物。神社でもお寺でも出していますので、出店で買うのが苦手な人はこちらで戴く方が気が楽なのではないでしょうか?同じようでも金粉付きだったり鷲のキャラクター付きだったりします。

浅草の鷲神社以外にも、もう一つの酉の市の発祥の地と言われる東京都足立区にある花畑・大鷲神社、浅草の鷲神社に匹敵するくらいの規模の新宿の花園神社、府中の大国魂神社、目黒の大鳥神社など、多くの神社でお祭りが行われています。

平成23年は11月2日(水)、14日(月)、26日(土)と3回有ります。三の酉がある年は火事が多いなんていわれます。